2010-02

対話式美術鑑賞法

金沢に行ったのは、CIECという学会の研究会で
対話式美術鑑賞法について話すためでした。

対話式美術鑑賞法を研究としてやっていたのは、修士までなのですが、
修士のときからこの対話式についての研究はそんなに進んでいないので、
修士時代の見解と、博士研究を交えて話したらまだまだいけんじゃないの?
という自負があります。

というのも、美術館における鑑賞教育って難しい割に、(だから?)
研究テーマになっていないという現状があるからです。

で、対話式美術鑑賞ですが、簡単に言うと、ミュージアム側と鑑賞者が話しながら
展示を鑑賞していく、というスタイルの教育プログラムです。

もともと、アメリカの認知心理学者、アビゲイル・ハウゼンが、
ピアジェやヴィゴツキーといった構成主義の学習観を元に作り上げた、
鑑賞方略です。
*彼女の理論はVTSのホームページに紹介されています。

ハウゼンは、何が見える、どうしてそう思った、もっとよく見てみよう、
という3つの質問を使って、鑑賞者に自分の感想を話させることによって、
鑑賞が深まると提案し、MoMA等で実践を行ってきました。

それを実践家の視点から、アレンジしたのがアメリア・アレナスです。
彼女が対話式の実践家として日本に紹介され、
千葉県にある川村記念美術館や、茨城県の水戸芸術館などがいち早く取り入れ、
各地の美術館に普及していったというのが、日本に対話式が導入された経緯です。

なぜ、これがアートなの?なぜ、これがアートなの?
(1998/02)
アメリア アレナス川村記念美術館

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みる・かんがえる・はなす。鑑賞教育へのヒント。みる・かんがえる・はなす。鑑賞教育へのヒント。
(2001/03)
アメリア アレナス

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アレナスは非常に優秀で才能のあるトーカー(対話式を実施する人)ですが、
その技術は職人芸的なものがあるので、研究的にその効果を検証するというのは難しいと考えられます。

一方で、厳格にハウゼンの手法を踏襲していては、感想は話せるかもしれませんが、
美術に関する既有知識のみでの鑑賞になりますので、なかなか新しい見方へ移行できないという欠点があります。

教えすぎると押し付けになり、教えないとなかなか深く展示を理解してもらえない、
そのジレンマに美術鑑賞教育は常に向き合っています。

私は博士課程の研究として、Cognitive Orientation Museum(COM)というモデルを使って、
内容ではなく、絵を見る枠組みを教えることによって、
初心者の批判的(Critical)かつオリジナルな意見を生み出すきっかけを与えることに成功しました。

しかし、COMは一方通行的な事前学習教材として作られたため、
完全に対話式鑑賞法が抱える問題に解答を出したわけではありません。

なので、今後は対話式において、有効な対話デザインとは、ということを考えていきたいと思っています。

研究会では、対話式に対して参加者の方々が興味を持ってくださったので、
研究する価値のあるテーマなんだと改めて思いました。

金沢には県立美術館だってあるんだぞ!!

久しぶりに、博物館学関係の仕事で、石川県立美術館に行ってきました。

DSC03359.jpg


ケンビ(県美)ぽい、外観。
シビ(市美)といわれる、市立の美術館に比べ、
ケンビはどこの県でも重厚でどことなく地味目です。
大理石看板率高し!

早めについたので、常設展と特別展を見てきました。

どちらも奇をてらっていない、王道の展示。

特別展では、現代日本画の展覧会で、日本画って質感が独特に粉っぽい。
油絵と違って塗り重ねることができない日本画は、
風合いはあっさりして、のっぺりしています。
鮮やかな色を使うと、放つように色が映えるのも印象的でした。

久しぶりに、絵画らしい絵画の展覧会で楽しめました。
品のいい作品が多く、見てて心地いものです。

常設展では、古久谷の名品を見て、
九谷焼って色遣いが派手で野暮ったい印象だったけど、
やはり名品は力強く、いいなと思いました。

茶道具の展示もあり、シンプルでモダンな朝鮮茶器の方が日本の茶器より好みです。
でも茶入れとか釜とかの魅力にはついていけず、まだまだ修行が必要です。

展示鑑賞で疲れた後は、美術館内にある、石川県出身のパティシエ辻口博啓氏のカフェへ。

DSC03363.jpg

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パレンタイン向けのチョコケーキを食べました。
チョコムースに甘酸っぱいイチゴのゼリーが入っていて、おいしかったです。

石川県立美術館は、しっとりとした大人の美術館巡りにお勧めです。

オラファー・エリアソン展@金沢21世紀美術館

金沢に行ってきました。
早速、21世紀美術館に行き、オラファー・エリアソン展を見てきました。

テート美術館で行った、The Weather Projectで話題になった、エリアソンの光のアート。

olafureliasson_theweatherproject20small1.jpg


北欧生まれの作家の、太陽に対する憧憬が生み出した作品とも言われていますが、
多くの人がそこで何時間も過ごしたという、なんとも心地よい作品です。

彼が21世紀美術館で作り上げたのは、虹と霧と光の世界。

図1

七色に光るバックライトを浴びて、七色の自分の影が壁に浮かびます。

図2

水面に照らされた虹が壁に浮かびあがって、部屋中を囲みます。

幼稚園ぐらいの男の子も楽しそうに影と光の世界に遊んでいました。
大人も子供も、作品の意味などわからなくても、楽しめる。
そんな作品ってやっぱりいいなと思いました。

こんな展覧会、東京でもやってくれればいいのに、と考えましたが、
やっぱり、人がたくさんだったら楽しめないかと思いなおしました。

金沢21世紀美術館の建物も、色んな形の部屋で構成されているので、
インスタレーションが生かされています。

コレクション展では、須田悦弘の超リアルな雑草(木製)が、
ガラス廊下にひっそりと展示されていて、素敵でした。
外にも雑草と落ち葉があったんですが、金色の雑草は作品だとわかったんですが。
落ち葉は本物か、作品か…

でも、やはりビデオワークスの良さはさっぱりわかりません。
なんだか時間軸ができたことで、解釈の幅が狭められているような、
違和感を感じます。

久しぶりに、心から楽しんだ展覧会でした。

博物館ってがっちり?

TBSの経済情報番組がっちりマンデーに国立博物館が特集されていました。

でもあんまりがっちり稼いでいるという情報はなく。

奈良博の正倉院展が世界一混んでいる展覧会だと学芸部長が胸を張っていたが、
快適に展示を見るという視点が欠けているような気がしました。
日本の展覧会観とはいまだにお宝を行列をなして見る、という具合なのでしょうか。

そんなこんなを考えながら、娘を耳鼻科に連れていくと、
トーマスの絵本が。

トーマスの世界には、意地悪な仲間がたくさんいるんだと感心。

「ジョージ」道路工事が仕事のスチームローラ。機関車をバカにしています。
「スクラフィー」貨車たちの中でもリーダ格で、特に意地悪な性格です。

など。

子どもたちは、そんなトーマスの世界を通じて、社会を学んでいくのですね。

人見知り

先日、大学の友人が娘を立派なカメラで撮ってくれたのに、
人見知りか、笑いません。

奥本さん8

笑わない赤ん坊…と言われています。

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